昨年6月にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断され、即入院してPola-CHP療法を6コース続け、今年1月に完全寛解となりました。ただし、最終コースを受ける前に貧血が酷くなり、輸血などで様子見をし、2か月ほど治療を休止しました。その間、特に11月あたりは頭痛、三十九度前後の発熱と酷い立ちくらみが何度もあり、夜間救急窓口に駆け込むこともしばしばでした。寛解を告げられた後も、特に赤血球の数値がひどく、髄液検査、PET-CT、MRIなど検査しましたが、感染症由来ではないとの診断で、赤血球を造る細胞が体内にゼロということで、3月に後天性赤芽球癆と診断され、そこから毎日ネオーラル300ml服用と毎週の輸血を繰り返しています。数値は改善せず、赤血球260前後、ヘモグロビン7.5前後、網赤血球は0.2%からびくとも動かない状態が続いています。体調は洗濯物を干すだけでも動悸息切れ倦怠感がひどく、自宅で寝たきりになっています。この状態で主治医はまだ次の治療については明確に話してもらえず、7月末までは現状を続ける考えです。果たして今の状況でセカンドオピニオンをあたるべきか、まだ様子見するべきか、いかがでしょう。また、まわりに同様の患者の方がいらっしゃらないので、患者様でも医師の方でも、なにか経験談やアドバイスがあると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
回答
ご心配ですね。赤芽球癆がシクロスポリンで改善しなかった場合、通常はプレドニゾロンという副腎皮質ステロイドの追加が試みられます。0.5㎎/㎏/日程度の内服によって、奏効する場合には2週間以内に網赤血球数が上昇します。
この効果がなかった場合は、リンパ腫の治療でも用いられたシクロフォスファミドという免疫抑制薬が用いられます。ただ、この薬剤が効くタイプの赤芽球癆では、大顆粒リンパ球という特殊なリンパ球が増えていることが多いので、この点を主治医の先生に調べて頂く必要があります。
シクロスポリンが効かなかった場合、海外ではシロリムスという別の免疫抑制薬がよく使われています。シクロスポリン不応性患者さんの約80%に有効とされています。この薬剤はプレドニゾロンやシクロフォスファミドに比べて副作用は少ないのですが、日本では赤芽球癆に対する保険適用が認められていません。
このため、保険適用の追加を目的として、信州大学を中心として、つい最近まで臨床試験が行われていたのですが、現在は症例の募集を終了しているようです。
シロリムスによる治療を希望される場合には、現在かかっている病院とは別の保険医療機関を受診し、私費診療として同薬の処方を受ける必要があります。
私費診療の場合、費用に加えて、副作用が出た場合に救済制度の対象にならない、などの問題があります。このため、主治医の先生とよく相談するようになさってください。
回答(追記)
後天性の赤芽球癆は、パルボウイルスB19というウイルス感染が原因で起こることがあります。
通常、このウイルスは体の免疫によって排除されるため、貧血が起こっても一時的で軽く済むことが多いです。しかし、リンパ腫に対する化学療法などで免疫の働きが低下している場合には、ウイルスが体内に残り、赤芽球癆が長く続くことがあります。
また、化学療法後は抗体を作る力が弱くなることがあるため、通常の抗体検査ではパルボウイルスB19感染を確認できない場合があります。そのため、感染の有無を調べるには、ウイルスの遺伝子を調べる核酸検査が必要になることがあります。
もし核酸検査がまだ行われていないようでしたら、主治医の先生にご相談いただくとよいかもしれません。
